日本陸上競技学会 会長挨拶

日本陸上競技学会は、2002年に創立されました。現在、第8期となり22年目を迎えております。今期より日本陸上競技学会の会長を拝命しております。初代会長の関岡康雄先生、2代目会長の澤木啓祐先生、3代目会長の澤村博先生、4代目会長の尾縣貢先生という素晴らしいご功績を残された諸先生方から会長職を引き継ぎ、大変光栄であると同時にその重責を感じております。今期では、副会長に杉田正明先生・安井年文先生・青山清英先生、理事長に森丘保典先生、副理事長に木越清信先生、事務局長に小木曽一之先生が基幹役員として学会運営を行っております。理事や役員の皆様、そして会員の皆様のご協力を得ながら学会の発展を目指したいと考えております。
東京2020オリンピック・パラリンピック大会を契機にスポーツの多様性やコロナ禍におけるスポーツの在り方など、様々な問題提起がございました。本学会におきましても、変動する社会において新たな視点での取組も踏まえ、学会をさらに進化していきたいと考えております。
本学会の目的は「陸上競技に関する理論的・実践的研究の発展をはかり、会員相互の交流を促し、これによって実践に資すること」となっております。「コーチングの現場と研究の融合」を掲げ、陸上競技の競技力向上のみならず普及や教育など様々な分野に貢献すべく、これまでに「学会大会」の開催や機関誌「陸上競技学会誌」の発刊など、創立当初の理念を継承し、我が国の競技力向上に微力ながら貢献を果たしてまいりました。
昨年度、中京大学で行われました学会大会では学会員の多くの皆様より、本学会が実践研究をリーディングする学会であることへの期待をいただきました。今期の中で「実践・事例研究の活性化」を図りたいと考えております。
22年目を迎え、新たな視点も加え、本学会が我が国の陸上競技界に微力ながら寄与できるよう、努力していく所存であります。
会員の皆様には、これからも本学会の発展のためにお力添え頂ければ幸いです。よろしくお願い申し上げます。
日本陸上競技学会 理事長挨拶

2002年10月に発足した本学会は、学会大会の開催と学会誌の発刊を2本の柱としながら、陸上競技に関する研究の発展と会員相互の交流を図ることによって「実践」に資するという役割を果たしてきました。私自身も学会の設立当初より理事を務めて参りましたが、第8期の理事長という重責を担うこととなり、今年度で2年目となります。
パリオリンピック・パラリンピック競技大会が目前に迫り、日本代表選手の選考・内定の報が国内外から飛び込んできております。また、来年開催される我が国で3度目となる世界陸上競技選手権大会に向けた準備も着々と進められております。一方で、グラスルーツのスポーツにおいては、学校運動部活動の地域移行化の動向など、スポーツ、そして陸上競技を取り巻く環境も大きく変化していくことが想定されるなか、多くの新たな課題も提示されています。これらのことは、この第8期が、日本陸上競技連盟が掲げる「国際競技力の向上」と「ウェルネス陸上の実現」という2つのミッションの達成に向けて、学会の設立趣旨にある「陸上競技の実践現場の課題を理論的・実践的に研究し、研究の成果を現場に還元すること」を通した「陸上競技の更なる飛躍、発展」を求められる極めて重要な期間となることを示唆しているといえます。
昨年度の学会大会では、陸上競技における「実践(事例)研究」のあり方について活発な議論がなされ、その活性化および体系化に向けた方策について継続的に検討・実践していくことの必要性が共有されました。また、企画広報委員会では、陸上競技の走跳投種目における科学的研究成果をレビューした論文集の刊行なども企画されております。
このような活動を通して、本学会が、「一人でも多くの人が陸上競技を楽しみ、そして関わり続ける」ための研究と交流、言いかえれば陸上競技に関する「理論の実践化」と「実践の理論化」にとって最適な場となるよう鋭意努力する所存ですので、会員の皆様のお力添えを賜りますよう、何卒よろしくお願いいたします。